2017年8月19日(土) 21:59 JST

ロックミュージックがメディアだった時代があったんだな

  • 2011年11月 5日(土) 19:17 JST
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エンターテインメント

橘川幸夫さんのブログを読んでると、やはり個人的には雑誌ロッキングオンの時代を語っているエントリーが楽しくて、分かる人にしか分からない内容ですいません。

ロッキングオン創刊当時の橘川さんの文章が彼のブログに採録されてて、橘川さんたちにとってロックミュージックがメディアであったこと、そう言われてみれば僕らにとってもそうだったな、と思い至ったのです。

私達は72年夏より<ロッキング・オン>という雑誌を隔月ではありますが、定期的に発行しています。ロックの主役はロック・ミュージッシャンやレコードではなく、無名・無数のロックファンであるという認識を基本として、できるだけ投稿という型で原稿を掲載しています。雑誌がいわゆる商品としてしか流通しない事に対して、私達は必要以上に過大な否定も肯定もしていないつもりです。つまり、価値と屈辱感をごちゃごちゃにしない、という事です。現在は、東販・日販を通して全国販売をしていますが、スタッフが食えるという状態までには辿りついておりません。スタッフは創刊時とほとんど変わらなくて、4人。簡単に紹介しますと、

渋谷陽一 編集長。23歳。明学大3年。NHK若いこだま土曜日DJ。他にも執筆活動などで、ロッキングオンの営業費をかせいでいる。
岩谷 宏  33才。サラリーマン。訳書に、<ビートルズ詩集>があります。現在、私達の単行本一作目として<ロック訳詩集>を4月末刊行の予定。
松村雄作 23才。ウエイター。元ボーカリスト。

大体以上の3人と私が写植を打って、大類信というプロのデザイナーが、やはりロハでレイアウトしてくれています。

読者は圧倒的に中学生・高校生が多く、もともとロックがマイナーな存在で(それは予想以上に凄いものだ)学校内でロックを聴いているのは私一人、とか、ひろみやヒデキやカーペンターズに囲まれて、小さくなってロックを聴いている人が、ものすごく多かった。そしてまた、親からの圧力も強くて、母親にレコード割られたとか、ロッキングオンにする電話も手紙も、親の目を隠れて来る人が多いのでした。

ロックについては、詳しくは、雑誌の方を見ていただきたいと思いますが、ロックの歴史を誰よりも忠実に知覚しているのが、中・高校生だと思います。ロックがメディアたり得るのは、ロックが決して、表現芸術として自分の内側で完結していなくて(勿論、ニセモノ・ロックも多いけど)、必ず、具体的な私達に向かって、あるいは同じ事だが、この闇の中を突き進んでいる私達と同じ方向へ、音を、言葉を、たたきつけているからです。そして、もっと正確に言えば、ロックがメディアではなく、ロックの背後にある闇がメディアであるならば、私達もまた、私達の闇を語る事によって初めて、本来のメディアが成立するのではないだろうか。ロックとは、インサイト・ルッキング・アウトであって、インサイドとはG・レイクが言ってるようにアウトサイドの結晶化であり、<世界の私という展開>である。

おー!グレッグ・レイク!アウトサイドの結晶化!世界の私と言う展開!なんかよく分からないけど難しい言葉でロックを語っててカッコいいぞ!と、当時高校生だった僕は思いました。ロックミュージックを好きでいることに何だかわからないけど正当な理由を与えてくれた、そんな風に僕らを奮い立たせてくれたのがロッキングオンでした。