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H・キッシンジャー著「外交」

  • 2015年11月29日(日) 21:38 JST
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時事問題

 前記事のベーカー元国務長官著「シャトル外交」のあとがきに「外交を志すものの必読書2つ」として同署に並んで紹介されていたのがこの本でした。ボリュームがすごくて読むのに2ヶ月かかりました。かばんに入れて持ち歩きながら読みましたが、かばんがいつもより重い状態が2ヶ月続いたので腕が腱鞘炎になりかけました。でも苦労して読む価値のある本でした。

この本は17世紀フランスのリシュリューの外交から説き起こされます。彼を国益を目的に外交を始めた人と捉えています。

 リシュリューはカソリックの枢機卿でありながら、国益のためにはオスマン帝国とも手を握り、外交と宗教的信条とが別次元であるとの考えでフランスの地位の強化を図ります。ここに大英帝国や統一ドイツ前の各国とロシア帝国等の役者とともに17世紀18世紀19世紀と外交史が綴られ、新興勢力のアメリカが登場し、第1次世界対戦・第2次世界対戦、ベトナム戦争・・・・と語られ続けられる対策です。

キッシンジャーはニクソン政権の国務長官であり、中国との国交樹立の立役者として有名ですが、こうした外交実務におけるエピソードはほとんど語られることはありません。外交研究者としての視点から淡々と事実および、それぞれの外交政策を支えた哲学と、その結果世界がどうなったのかが語られ続けます。

大著であり、おそらく著者の外交研究の集大成と言える書であることから、ここに込められたメッセージは本当に数多くあり書ききれません。が、近現代史において言われるパックス・アメリカーナを支えたのは、米国のナイーブな民主主義こそ再譲渡する理想主義であり、結果として功罪はあるものの、18世紀19世紀に比べて人類がなんとか前進したといえる今の世界に米国の理想主義が果たした役割はやはり大きかった、と私は思いました。

読むの大変ですtが、外交・安全保障といったものに歴史的に学びたい人には必読の書と思います。

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