2018年4月20日(金) 17:45 JST

日本の電子部品産業被災—-電子産業への輪番停電のインパクト

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  • 2011年3月27日(日) 23:48 JST
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ビジネス

日本ケミコンという会社がある。コンデンサにおいては韓国・台湾・中国製品が力をつけマイナーな存在になりつつあるが、工場のほとんどが被災地域である。数年前に聞いた話だが、Intelのマザーボードで認定されているコンデンサはココと富士通だけだという。けっこうインパクトあるんじゃないか?同社のホームページでの3月25日現在の工場稼働状況は以下のとおり。

  • 日本ケミコン(株) 高萩工場(茨城県高萩市)・・・電力が回復しておりません。稼動開始には、3ヶ月程度かかる見込みです。
  • ケミコン宮城(株)(宮城県大崎市)・・・4月上旬の稼動開始を予定し立ち上げ準備中です。復旧には2ヶ月程度かかる見込みです。
  • ケミコン精機(株)仙台工場(宮城県岩沼市)・・・通常稼動可能となりました。ケミコン福島(株)(福島県西白河郡)・・・4月上旬の稼動開始を予定し立ち上げ準備中です。復旧には、1ヶ月程度かかる見込みです。

LCDを中心にした日本製部材の産業へのインパクト予想はコチラコチラに詳しい。総じて当面は影響が軽微だが、東北地域の工場の復興が遅れると4月末に部材不足によるLCDのショーテージが起こる。台湾・韓国のLCD各社は購買担当・チーム長・役員クラスを日本に送り情報の収集に懸命だ。

悪いシナリオを簡単に言うと、5月に入ってNotebookPC, 携帯電話, スマートフォン、スマートブックの製造が出来なくなる。

生産体制については日本企業の不屈の努力に期待するしか無いというところか。それよりも心配なのは関東地域の輪番停電である。ある工場では一度止めた製造ラインを再び製造できる状態にするのに3時間かかると言う。午前中が停電であれば、昼から通電したとしても製造開始できるのが午後3時になる、ということだ。

半導体やLCDの前工程の場合はもっと大変で、一度止めてしまったラインを元の歩留まりまで戻すのに運が良くて3ヶ月かかるのが普通だ。週1回でも停電があるのなら製造開始など出来ない。停電時のラインの仕掛品は潜在的な不良が予測されるのですべて破棄するのが普通だ。

コチラでも書いたけど、震災復興のためには日本経済を回しに回すことが必須だ。苦しい選択だが、一般家庭にある程度の犠牲を強いることになっても工場地域の停電はなしにしたほうがよいと思う。

ACF大手の日立化成のwebで被災復興状況を逐次報告しているが下記のくだりがある。

いずれの拠点におきましても、3月14日から開始された輪番停電の影響を受けることから、生産を再開した製品を含め、今後の操業に影響が出る可能性があります。当社及びグループ会社では、今後とも事態の推移に十分注意を払いながら、復旧に向けた作業を続け、条件の整った設備から生産を再開してまいります。

みずほ銀行のシステムトラブルは旧来の日本的システムを象徴していないか?

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  • 2011年3月27日(日) 22:42 JST
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ビジネス

金融業界が恐れるのは日本の金融システムへの信頼が揺らぐことだ。震災で生活資金が必要なのに被災地へ送金できない事態が露呈し、邦銀のシステムは脆(ぜい)弱(じゃく)との印象が強まった。

みずほ銀は給与振り込みが集中する25日に備え一部業務を他行に委託するが、給与データ移し替えに手間取る恐れもある。決算期末の企業決済も控え、混乱が続く可能性は十分にある。

14年のみずほフィナンシャルグループ(FG)のシステム障害では旧3行の元頭取3人が引責辞任した。全国銀行協会は22日、4月に予定していた西堀頭取の会長就任を延期すると正式発表したが、今後は当然、みずほ銀トップとしての責任が問われる。(山口暢彦)

via sankei.jp.msn.com

これ、結局2001年の合併時のトラブルの再来なのか?国際的な競争力を確保するためにメガバンク作ったのに結局システムがお粗末なのではないのか?富士通とIBMと2つのシステムがあってそれらをゲートウェイで繋いでいるから、ゲートウェイの処理能力がボトルネックになっていて、それを放置している、ということなのではないのか?

金融業はシステムの力が即競争力であるのが常識なのに、合併前の面々のメンツを立てることを優先しているとしたら経営者失格だと思う。みずほ銀行の株持っている人はどう思っているんだろう?

amazonの千葉の倉庫もやられていたのか。音楽業界が心配・・・

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  • 2011年3月25日(金) 18:17 JST
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ビジネス

【アマゾン市川倉庫の地震被害による業務停止について】アマゾンの市川の倉庫が地震被害で入・出荷を中止しています。弊社商品も多数が「一時的に在庫切れ」「通常XX週間以内に発送」となっています。アマゾン以外のオンライン書店(楽天ブックス、セブンネット、bk1など)には在庫ございます。

Twitter / @プレジデント社書籍編集部: アマゾンの市川の倉庫が地震被害で入・出荷を中止してい …

昨日友人から聞くまで知らなかった。こんなブログとamazonのお知らせ画像もありました。

Amazon倉庫が地震でダメージ。東日本に配達ができません

日本のCD売上の30%がamazonだと聞く。3月リリース予定の楽曲はすべて4月以降に延期になっている。ミュージシャンはみんなチャリティ、チャリティで、それはそれでいいんだけどチャリティは必要最低限の費用を除いて関わった人には誰にもお金が残らず、資金の留保のある大手はいいけど中小は今後どんどん倒産が増えるんじゃないのか?元々不況だったしギリギリで資金を廻していた会社が多いはずだ。音楽業界中小では売上が止まり、収入が止まり、仕入や経費の決済期限は来て資金がショートするところが続出するのではないかと心配になった。

そう言えば昨日3月24日のニュース。

震災倒産第1号…イベント会社、人気バンドの公演中止が原因か

2011.3.25 17:35

東日本大震災に関連した全国初の倒産が明らかになった。被災地や福島第1原発から遠く離れた福岡市に本社を置くイベント企画・運営企業の「ビーアイシー(BIC)」。震災後、エンターテインメント業界で自粛ムードが続くなか、人気アーティストの公演中止が引き金となったようだ。(夕刊フジ

東京商工リサーチによると、ビーアイシーは今月18日、福岡地裁に破産を申請。負債総額は流動的ながら約1億5000万円が見込まれるという。

1989年に創業した同社は、九州を中心にシティーホテルでのトークショー、学園祭や「福岡レゲエ魂」「福岡アコギ魂」といった名物イベントを手掛け、2003年12月期には売上高約4億円を計上した。

しかし、長引く不況の影響で集客力が低下し、資金繰りが悪化。昨年には創業社長が交代して、立て直しをはかっていた。その最中に東日本大震災が発生。人気バンドのPENICILLINやギタリスト、INORAN(LUNA SEA)のコンサートが開催できなくなったことが、大きな痛手となったようだ。

第2第3のケース、それから連鎖倒産が3月末に起こる気がする。震災被害者支援も原発対策も大事だ。同時に日本経済を廻すことも大事だ。原発対策も震災対策も多額のお金が必要だ。それに時間もかかる。最低でも5年はかかるだろう。その為にはGDPを下がらない、いや逆に成長するくらいの勢いで税収が増えていかないと復興を支えていくことが出来ないと思う。

Geeklogのデザイナー @augebang師匠の震災直後の言葉がよみがえった。さすが阪神震災経験者だ。

自分が無力だと本当に思うなら一番の解決方法を教えとく。「いつも通りの生活」をしなさい。募金をするのでもなくボランティアに参加するのでもなく平常の生活をすごす事ができればそれは凄く役に立ってるよ。

質問!今あなた達の足元は海水で湿っていますか?窓の外を見た時に建物が崩れて焼けた臭いがしますか?NOであれば今する事は嘆き悲しむ事ではなく、今まで以上に経済効果を高める動きをとる事です。(仕事しろ)結果、これこそ震災復興に役立つ一番の近道だと私は考えます。

僕はこれを読んだ震災直後「そんなこと言ったって募金は必要だしタイミングを見て組織的なボラティあは必要だろう」と思った。でも2週間経った今、やはり体で経験した人の言葉は重いのだと痛烈に思う。経済を活性化させないと被災地を支えきれなくなる。

元tweetはコチラコチラ

まだテレビ持ってる?

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  • 2011年3月 1日(火) 11:10 JST
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ビジネス

まだテレビ持ってる?:日経ビジネスオンライン

米国在住者による米国テレビ番組事情です。
ネットでガンガン番組流しているんですね。

CBSのテレビ放送事業、制作事業、そしてオンライン配信事業をまとめるCBSインタラクティブを含む「エンタテインメント部門」の2010年通年決算の売上高は前年比6%増の約74億ドル。高い伸びは、テレビ番組配信サイトCBS.comの広告収入(前年比19%増)に支えられている。米メディアによると、74億ドルのうち約10億ドルがCBSインタラクティブの収入で、広告収入だけでなく、アップルのiTunesへのビデオ販売や、スポーツ番組の有料オンラインサービスの収入も含むという。

CBSのサイトは、もはや番組宣伝コーナーではない。意図的に、番組のビデオを提供するポータルサイトとしている。

Huluも拡大を続けている。当初の3つのテレビ局だけではなく、225のコンテンツ・プロバイダーが番組を提供している。その中にはナショナル・ジオグラフィック・チャンネルやソニー・ピクチャーズも入っている。

(中略)

では、おカネをあまり持ってない友人たちの間ではどう思われているか。ちょっと前まで「ねえ、テレビ持ってる?」と聞いて回っていた人たちだ。

「有料なんてとんでもない!」と怒っていると想像するかもしれないが、実は反対である。「いいんじゃない」という反応が多い。

なぜか。

例えば、私はテレビを見るために月額70ドルほどのケーブルテレビ料金を支払っている。しかし、Huluは10分の1程度の月7.99ドル。Huluだけではちょっと寂しい、という場合は、オンラインビデオレンタル大手「ネットフリックス」で、映画とテレビ番組が見放題のオンライン視聴サービスを契約すればいい。こちらも月額7.99ドル。しめて15.98ドル。しかも、いつでも番組を見られるのだから、お得ではないか!

この「パック」で、テレビや映画をオンラインで見ている人は、若ければ若いほど、そしてパソコンに詳しい人ほど、その比率が高くなる。今後もどんどん増えていく流れは止まらないと思う。

どうして日本のTVはこうならないんだろ??
ネット広告で収入も増えてるそうです。

電車や移動しながらでもTV見れるようにすることが視聴者を離さないことになると思うんですが。 

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当たり前だが、進化への弛まぬ努力こそが競争力の源泉

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  • 2010年12月30日(木) 17:39 JST
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ビジネス

元サムスン電子常務・吉川良三氏の講演の最後は以下のように結ばれる。救いはあったのだ。

最後になりましたが、日本の企業はこれから産業構造の変化に合わせて大きく進化していかなければいけないと思います。「地球上に生き残った生物は強い生物ではなく、環境に最も適応した生物である」と、ダーウィンも言っています。危機の経営というのは、支配則にいち早く気付き、社会の要求や変化に素直に対応するということ。過去の成功体験、固定概念、惰性、利己主義、高慢さ…、これらが進化を妨げるんです。とくに高慢というか奢りですね。その殻を破らないといけない。高慢な卵の殻は人に割られると卵焼きにしかなりませんが、自ら破っていくと命を持った鳥になります。鳥になったらどんどん成長していきます。最後は食べられますが(笑)。ぜひ皆さんも殻を自分の力で割ってください。これが日本の生きる道だし、日本が産業構造の変化に対応した新しい競争力を育てていけば、必ず明るい未来が待っていると考えています。本日は長いあいだご清聴ありがとうございました。

via www.globis.jp

過去の成功体験、固定概念、惰性、利己主義、高慢さ…、これらが進化を妨げるんです

これを銘記したい。過去にとらわれず、新たな価値創造をする弛まぬ努力、ビジネスに王道はない、ということになるのか。

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ハイエンド志向で日本産業は生きのこれるか?

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  • 2010年12月29日(水) 13:42 JST
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ビジネス

元サムスン電子常務・吉川良三氏の講演QCD(quality, cost, delivery)も日本産業ガラパゴス化の一因とした段で以下のように語られている。

C(コスト)についても同様です。日本人は100円の部品を5円下げるために血の滲むような努力をします。これは美意識でもありますよね。それ自体は良いのですが、グローバリゼーションでは全体算でコストを下げるしかない。無駄なものはつくらず、売れ筋をつくるということです。売れないものをつくらないというのは鉄則なんです。私は立ち食いそば理論と呼んでいますが、サムソンは消費をぜんぶ変えていきます。もちろん、インド用、中国用、パキスタン用、バングラディッシュ用、アメリカ用…、全部ゼロから変えていたら大変ですよね。だからここで立ち食いそば理論になる。立ち食いそばのお店ではうどんとそばのおつゆは同じです。知っていましたか?(笑) 私はうどんとそばで、つゆぐらいは違うだろうと思っていました。しかも注文を受けてから茹でているわけではありません。注文を受けてからは温めるだけで、実はあらかじめ茹でてある。そこから天ぷらそばやたぬきうどんに変わっていくんです。これは消費が違うからお客さんに選んで貰うということですよね。これを経済学でいうと、どこでカップリングを解くかということになります。これが高いほど利益率が高い。ところが日本はここがすべて手づくり。信州の信濃でさんざんお客さんを待たせて3,000円のそばですと言っている。お客さんが来てからそば粉を摘みにいったりするのが(笑)、良いとされているんですよ。それをすべて否定するわけではありませんが。

via www.globis.jp

「日本製品の品質への信頼はまだ揺らいでいない」とし「韓国勢に倣う必要はなく日本独自のハイエンド志向でいけばよい」という論を見ることがあるが、この方向で日本経済は生き残れるのだろうか?日本の産業のほとんどがハイエンド・ブランド化し、世界中の高所得者に愛用されるようになったとしてその売上と利益はどれくらいなんだろう?

この方向で生きていけるならそれに越したことはないが、GDPを支えていくだけの規模に成り得るのか、だれか試算してくれる人がいたらいいのになぁ、と思いました。

ここから追記。吉川さんの講演読み進めていたら試算の基礎になりそうな数字がありますね。世界に約9億人の市場がありますね。ハイエンドというか、持ってて・使って気持ちの良い製品を買う人たち、ということです。あとは、それでどれだけ儲かるかが分かればいいですね。

ここであるアンケート結果をお見せしましょう。経済産業省の資料によると、サムスンが狙っているのはアジア8カ国のなかでは「平均的生活層」の8億7千万人なんです。日本はここでほとんど負けています。でも、競争志向的で社会を牽引する価値観を持った「イノベータ層」、 高級品や嗜好品を好む「趣味嗜好層」、あるいは外交的でのし上がる機会を探している「上昇思考層」も、それぞれ4億5千万人前後いるんです。これは「さ」 と「性」が好きな人たちですね。日本はここを狙うべきです。サムスンは考え方がデジタルだから「さ」と「性」は弱い。現在韓国勢がとっている「平均的生活 層」の市場で戦うのは止めたほうが良いでしょう。そのもう少し上の層を狙うべきです。こういった中間層の定義はこれまでなかったのですが、年間の可処分所 得が5,000ドルから3万5,000ドルの人々を中間層といって、これはBRICsに6億3,000万人います。これまで日本が生産拠点としていた地域 は、現在、消費国に変わっているんですよ。これは大きな変化でしょ? 3万5000ドルといったら日本の中間層にも近いですよね。ということは、世界には結構いるんです。日本の「さ」と「性」を好む人々が。

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日本人は危機感はあるが危機意識がない

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  • 2010年12月29日(水) 02:33 JST
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ビジネス

元サムスン電子常務・吉川良三氏の講演の抜き書きを続けます。

そんなところからもの凄く頑張って、97年に国際化からグローバリゼーションへ移行していきました。結局、危機意識があったんです。日本人に足りないのは危機意識。危機感はあるんですよ。でも日本人は危機がくるとサッと身をひそめて素潜りしてしまう。「ちょっと苦しいけれど、もう少ししたら水面が下がるから」と言って、潜って鼻をつまんでいる。そして3年ぐらいすると水面が下がってきますから、バッと顔を出して「わー、やっと青空が見えた」と言いながら設備投資をする。いつもこのパターンでしょ? そして危機が過ぎると忘れてしまう。これが危機感です。でも、危機意識とは危機感を常に持つということ。良いときでも持つんです。特に韓国は隣に北朝鮮があって、攻めてこられたら4時間でソウルが火の海になる。それは強い危機意識を持ちますよ。私も10年住んでいて、本当に危機意識の毎日でした。「どうしよう」って。西や東でしょっちゅうドンパチをやっているんです。このあいだの哨戒艦沈没は日本でも大きく報道されましたが、小規模なドンパチならしょっちゅうやっています。

そんな事件があると日本の大使館から通達が来るんですよ。その内容がひどくて、「日本円で100万円か1万ドル、現金で常に持っておいてください」って(笑)。「何かあっても大使館は何も出来ません。だからお金を配って南へ逃げてください。釜山まで来たら何とか軍艦出して保護してあげます」とかね。そんな通達が来る状況なら危機意識を持つじゃないですか。日本に帰ってきたらコロっと忘れましたけど(笑)。とにかくこれから危機意識を常に持つことが大事なんです。

via www.globis.jp

最後の日本大使館の通達には笑ってしまうが、これが昔も今もかわらぬ韓国の実態である。ソウルから北との国境まで40km。東京で言うと八王子と都心の距離。北朝鮮が真剣に空爆を始めれば数時間後にはソウルのは火の海だ。徴兵制と徴兵終了後の予備役訓練の中で韓国人は常に戦争の可能性と向きあって生活している。

「日本はこのままでは沈んでしまう」という危機感を持ち続けている人がどれだけいるだろうか?政治の世界、ジャーナリズムの世界にあまりいない気がしてならない。僕ら一般人にしても景気の悪さを嘆くだけでは足りないのではないか?20年ごとは言わない。5年後10年後の日本社会のあり方を真剣に、自らの身を削ることを含めた議論が必要だ。

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日本のベンチャーにはやりがいがあるか?

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  • 2010年12月17日(金) 07:19 JST
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Business Media 誠:吉田典史の時事日想:こんな経営者が、若い人を使い捨てにしている (1/4)

独善的な中小企業の経営者に辟易する人は多い。私もその一人です。
でも性格悪い人の方が成功している気がする。正直者は馬鹿を見るのか。こんなことをよく考えます。

筆者の吉田典史さんはフリーの就職関連ライターさんのようです。

「何年間も売上10億円を超えられない会社の経営者には問題あり」

現場の取材に根差した地に足のついた主張と思いました。事業・会社の立ち上げには強引さが必要な部分もあるが、大きく成長させるためには公平な評価に基づいてスタッフの力を引き出すこと、そして社会に貢献していく目的感がないとやっぱり駄目なんだ、と感じました。

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SoC生産に見る日本メーカーと台湾TSMCの大きな違い

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  • 2010年11月23日(火) 16:14 JST
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ビジネス

一人勝ちの仕組みをつくってしまった台湾ファンドリーTSMC SoC生産に見る日本メーカーとの大きな違いとは JBpress(日本ビジネスプレス)

この連載を読んでいて日本半導体メーカー経営者の無能さには呆れるばかりだが、ここに新たなエピソードが加わった。

2007年2月、ある半導体メーカーの役員から、次のような話を聞いた。

「1998年に、非常に深刻なDRAM不況が襲ってきた。その時、『日経マイクロデバイス』(注:日経BP社が発行していた電子デバイス情報誌) が、“浮き沈みが激しく赤字の元凶となっているDRAMから撤退せよ。次はSoCの時代だ”と、日本半導体メーカーを叩きまくった。あの日経マイクロデバ イスの編集長だけは今でも断じて許せない。あいつが日本半導体をミスリードしたのだ」

筆者は、この話を聞いて呆気に取られた。雑誌の編集長が日本半導体をミスリードしただって? 日本半導体メーカーの経営者は、雑誌を見て経営しているのか?

これに類する話はもう1つある。2007年になって、半導体の微細化神話に陰りが見え始めた。そのため、当時、半導体売上高世界第3位の米国テキサス・インスツルメンツ(TI)が、最小加工線幅32ナノメートル以降の微細化の自主開発を行わないと発表した。

この発表を聞いて、多くの日本半導体メーカーは大混乱に陥ったという。その理由は、「世界第3の半導体メーカーが微細化を行わないというのだ。自分たちは一体どうしたらいいんだ?」ということだという。

筆者は、正直言って驚いた。TIの発表に驚いたのではない。その発表を聞いて混乱したという日本半導体メーカーに驚いたのだ。微細化するかしない かというのは、半導体ビジネスにおける1つの戦略に過ぎない。TIは、SoCの開発において、微細化の自社開発は得策ではないと判断したのである。TIの 発表を聞いて混乱した日本半導体メーカーの経営者は、何を基準に、経営判断をしているのだろうか?

以上のようなエピソードから透けて見えてくる日本半導体メーカーの2つ目の病気とは、「自分で決断できないこと」、および「横並び思想」である。このような病気に冒された経営者が、まともに会社を経営できるとは、筆者には思えない。

韓国や台湾のメーカーが日本の技術をコピーしたとか盗んだとかいう話があるが、そういう部分があるにせよ、あちらはビジョンを持った経営者が戦略と施策を貫き、こちらは過去に栄光に浸って無策のまま何も手を打たなかったことが明らか。愚かな指導者に率いられた民衆ほど哀れなものはない。

と、エピソードはここまで。

DRAM事業で海外に負けた日本半導体メーカーが新たな収益源として、微細加工と少量多品種対応により今後も買っていけると考えて舵を切った事業ががSoC, System on Chipsだ。プロセッサー+メモリーなどの組み合わせSystemを1つのchipに集約する。ここでなら負けないはずだったのが実際には台湾の国策半導体メーカー、TSMCが世界の市場を制している。前回見たとおり圧倒的な収益の差が出ており、事業として完全に負けである。

ここからの湯之上さんの解説は専門的で難解だが、私なりの理解を書かせていただくと、事業の垂直統合を目指さず、水平分業を推進しオープンソース的な手法をベースにしたことに勝因があった、ということだ。

台湾では早い時期から、製造設備(Fab)を持つメーカー以外に半導体設計を専門とするデザイン・ハウスと呼ばれる業態が数多く立ち上がっていた。台湾生まれの優秀な理工系学生は米国留学し、シリコンバレーで有力だったデザインハウスに合流したり、自ら投資家を見つけて起業した。製造設備を持たないといういみでFablessメーカーとも呼ばれる。日本的な感覚では「デザインハウスなんて、設備を持たずに品質責任を持てる製品を作れるわけがない」と見下す傾向が強かったことをよく覚えている。

ところが、90年代後半から始まるPC市場の技術をリードしたのはこうしたデザインハウスだった。ビデオカード用のビデオチップを筆頭にファブレスメーカーは元気いっぱいだった。固定費が軽い、組織が小さいから意思決定が速い、投資が少なく済むので回収も速い、結果としてファブメーカーに大きく水をあけるコストで6ヶ月ごとに大きく進化するPCの仕様を支え続けた。

TSMCはファンダリーと呼ばれる製造請負専門のメーカーだ。数多くの仕事を単純に引き受けるだけでなく、マスク設計・製造のソフトや治具、設備の標準化を行いそれをライブラリー化し、顧客にも標準化によるコストメリットを説きながら納得させ、顧客への販売価格も自らのコストも大きく下げることに成功したのだ。

独自技術・独自仕様に拘る日本メーカーには真似ができない芸当だ。すべての物事に当てはまるとまでは言わないが、現代の産業においてはオープンであるほうが安全だしコストが安いのだ。オープンソースソフトウェアと相似しているのが面白い。

台湾は   no secret society    「秘密のない社会」   だ、と台湾のIT業界人はよく言う。DellやHPの購買が台湾の部品メーカーに今月こんな要求を出した、というような話題はその日の夕食には業界の主だった人の耳に届くことになる。最初これを聞いたときは台湾人が自分たちを守るための知恵だと思っていたが、オープンであることを好む台湾人の気風がビジネスマナーとして昇華され、一つの産業での勝利を勝ちとったのかな、最近は思うようになった。

微細化硬度が上がるに連れて幾何級数的に増大する設備投資とその投資リスクを日本メーカーはマネージする自信がなく投資を前にしてビビることしか出来なかった。台湾人はこれをオープンアーキテクチャー、オープンプラットフォームを選択することにより解決したと言えるのかもしれない。

規模が増大し、地理的な条件が大きな意味を持たない事業においては、オープンであることがきっと最大のリスクマネージメントなんだと思う。

 

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日本企業はなぜダメなのか 日本半導体メーカーとインテル、破壊的な収益力の違い

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  • 2010年11月19日(金) 14:45 JST
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ビジネス

日本半導体メーカーとインテルの決定的な違い これほどの収益力の開きがなぜ生じるのか JBpress(日本ビジネスプレス)

日本半導体メーカーが負けているのは韓国台湾だけではない。DRAMでは米国Micronに負けているし、半導体総合、という括りでは首位のインテルに水を開けられている、というよりも絶望的なギャップだ。2010年に入り、金融不況のダメージから回復し、エルピーダメモリーが黒字回復、東芝半導体部門も23億円の黒字で一息ついたが、市場トップメーカーは次のように圧倒的な利益を上げている。

  • インテル          23.9億ドルの営業利益      (23.5%)
  • サムスン        1666億円の営業利益          (24%)
  • TSMC             1023億円の営業利益         (37%)

これに対し、日本半導体メーカの利益率は常に数%であるという。自分がファンドマネージャーなら資金の殆どをこちらに投下しなければ顧客が逃げていく。

何故これほどの収益の違いが出るのかに湯之上さんは自身の半導体設計技術者としての経験も交えて斬り込んでいく。端的に言うと、日本半導体メーカーでは設計者はコストを意識せずにとにかくよいものを作ることのみを志向して設計を行う。一方インテルでは、まず製品の販売価格を想定し、そこから利益が出るコストを逆算して、そこに合わせ込むように設計をする。そのためにはさぼれるものは徹底的にサボる。

シリコンサイクルを何回か経験すればDRAMはいずれUSD2.00を割り込んで緩やかにUSD1.00を切るレベルに価格が下がっていくことがわかる。1Mb, 4Mb, 16Mb, 64Mb・・・・といずれもこの流れをたどった。であるならば、DRAMを設計する際にはこの価格でも利益が出るコストで作らなければならない。その利益で設備投資の償却も進めなければならない。日本メーカーにはこう考える人がいなかった、ということなのか・・・。信じられないが起こったことからするとそういうことなのだろう。

それにしてもこれだけ市場で負け続けても日本半導体メーカーの技術者の意識が変わっていないのは経営者の責任が一番大きいが、そういうこともウヤムヤにしてしまうので日本的経営の悲しいところだ。結果として負けた原因の総括が行われず対策も建てられない。彼らの仕事の日常では、不具合を起こせば根本原因を解析して対策を立てることがルーチンなのに経営的にはこれが反映されていないのはなんとも皮肉だ。以下のエピソードはちょっとショッキングだ。

工程フロー構築の際、インテルのインテグレーション技術者によれば、「目標の原価を実現することが最も悩ましい」「コスト度外視で全ての技術を無 制限に使っていいのなら、こんな苦労はしない」とのことである。つまり、インテルは、低コストで歩留まりを上げやすい工程フロー、すなわち、「儲かる工程 フロー」を構築しているのである。

この話は、筆者にとっても、インタビューに同席した日本半導体メーカーの技術者にとっても衝撃的だった。日本の技術者は「開発に従事した十数年にわたり、工程フロー構築時にコストのことを考えたことは全くなかった」と証言した。

また、この話を講演などを通じて日本半導体メーカーに紹介すると、多くの技術者から「そんな作り方が本当に可能なのか? 信じられない」という反応が返ってきた 。

経営の問題だ、と私が思うのは日本メーカーとインテルの組織とインセンティブの違いがあまりにもめいかくだからだ。

ある日本メーカーの技術者によれば、「開発部にいる技術者は、開発にしか興味がない」という。また、別の日本メーカーの技術者によれば、多くの技術者が 「コスト削減は工場の仕事と考えている」。さらに、また別の日本メーカーの技術者は、「研究部、開発部、量産部の間に、士農工商がある。研究部が一番偉 く、次が開発部。量産部は下層階級と見なされている」という。

つまり、多くの日本半導体メーカーは、組織の分業化、縦割り化が進み、さらには階級意識があり、コストまで含めた全体最適ができない組織構造になっている。

一方、インテルでは、「ある開発プロジェクトに対する社内評価は、どれだけの最終製品を、いくらで出荷したか、それによって、どれだけ利益を出したかで判断される」という。つまり、開発者のボーナスも、最終製品の利益で決まるのである。

逆に言えば、どれだけ高性能のプロセッサーを作り、売れたとしても、利益が出なければボーナスはもらえない。これが、開発段階で徹底した低コスト化を目指すインセンティブになっていると考えられる。

以下の自動車業界関係の人との話も刺激的だ。「モノづくり日本」って言うけど、実はモノづくりの基本が一番出来ていないのが日本の半導体メーカーなのだ。これは滅びるしかないだろう。

「例えば、売り値が300万円のセダンを造るなら、原価150万円と決めて、それに収まる技術や部品を使って造るんだよ。売り値100万円の軽自 動車だったら、当然、原価は50万円に設定してそれ相応の技術と部品にする。そうやってクルマを造り利益を出すんだよ。ものづくりの基本だよ。半導体っ て、そんなこともできていないの? うっそー」と、逆に驚かれてしまった。

さらに、日産自動車のブレーキを作っている技術者の以下の話を思い出した。

「日本半導体って、カルロス・ゴーンが来る前の日産みたいだね。日産は、技術オタクの会社で、過剰技術、過剰品質の せいで、1990年末に倒産しそうになったんだ。ウチの会社は、日産のブレーキを作っていたんだけれど、たかが足で踏むブレーキパッドに何でこんな精度の 高い加工を要求するんだろう、何でこんな高級な表面処理をさせるんだろう、と思っていた。でも、日産がやれと言うから、やっていた。当然、ものすごく高価 なブレーキパッドになったよ。足の裏で踏むだけのただの板なのにね。多分、日産では、全ての部品がそういう過剰品質だったんじゃないかな? だから造れば造るほど赤字になって倒産しかけたんだよ。

ゴーンが来て何をやったかって? 簡単なことだよ。原価管理部を作ったのさ。例えば、300万円のスカイラインを造るとするだろう。そうしたら、 原価管理部がまず原価を150万円と決めるのさ。そして、どの技術を使うか、部品の品質はどうするかを、全て原価管理部が決める。

最初は、技術者とケンカになったみたいだよ。『なぜ、俺たちの開発したこの素晴らしい技術を使わないのか』とね。でも、技術オタクの技術者と、 ゴーンのどちらが正しかったかと言えば、その後のV字回復を見れば、一目瞭然だろう。日本半導体の最大の問題は、ゴーンがいないことじゃないのかな?」

ものづくりの世界の常識から言えば、インテルの作り方こそが当たり前であると言える。日本半導体は、ものづくりの常識から逸脱しているのである。

法人税が高いとか、国の支援がないとか言う前に、まず、ものづくりの基本に立ち返ることが、日本半導体には必要である。

 

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